国語科研究主題
自分の考えを再構成する力の育成
〜 課題解決的な言語活動を通して 〜 望月 陵 冨髙 勇樹 平井 規夫
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A)生徒に付けさせたい力とそれらを育むために生徒にもたせたい問い(問うべき問い)
B)生徒に問いをもたせる教材のあり方(教材研究)
C)問いをもたせるための教師の役割
D)生徒の問いをどう見取るか(表現活動・評価)
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A)言語能力と自己モニター能力
B)学習課題・言語活動の設定
C)教師の発問,指示
D)モニターする力と評価
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(ア) 「話すこと・聞くこと」,「書くこと」及び「読むこと」の各領域では,小学校で身に付けた技能に加え,社会生活に必要とされる,発表,討論,解説,論述,鑑賞などの言語活動を行う能力を確実に身に付けことができるよう,継続的に指導することとし,小学校で習得した能力の定着を図りながら,中学校段階にふさわしい文章や資料等を取り上げ,自ら課題を設定し,基礎的・基本的な知識・技能を活用し,他者と相互に思考をまとめたりしながら解決していく能力の育成を重視する。
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【読解のストラテジー例】
背景 バックグラウンド・ナリッジ(教材理解に必要な予備知識や基礎知識を確認する。)
理解 正確な理解(内容を正確に理解できているか確認する。)
予測 原因から結果の推論(次にどうなるか予測する。)
解釈 結果から原因の推論(登場人物の行動や作者の表現について「なぜ」と問う。)
評価 クリティカル・リーディング(登場人物の行動や作者の表現や結末を評価・批判する。)
個人 パーソナル・リーディング(自分だったらどうすると考える。)
創造 クリエイティブ・リーディング(続き話を考えたりほかの解決方法を創作したりする。)
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【授業の概要】
「少年日の思い出」をはがき新聞にして紹介する。誰かに自分の考えを伝えるという課題を設定することで,目的意識と相手意識を明らかにし,自分の考えに対する意識を高めさせたい。
読解を深めるために,「ワールド・カフェ」を教室版に変更し交流を行う。生徒が主体的にこれまで学んだことを生かして話し合いを進めさせたい。
評価については,はがき新聞だけでなく,ポートフォリオを活用することで自分の考えの変容にも気付かせたい。
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国語への関心・意欲・態度
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読む能力
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言語についての知識・理解・技能
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①文章に関心をもち,自分の考えを明確にするために,友人と考えを交流しようとしている。
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①文章に表れているものの見方や考え方をとらえ,友人との交流を通して,自分のものの見方や考え方を広げている。(オ)
②登場人物の心情や行動,情景描写,物語の構造に注意して読み,内容の理解を深めている。(ウ)
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①語句の文脈上の意味をとらえ,それが文章の中で果たしている役割を考えながら読んでいる((1)イ(イ))
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単元(教材)名 |
( ヘルマン・ヘッセ「少年の日の思い出」 ) 〈 6時間計画 〉 |
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言語活動例
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ウ 課題に沿って本を読み,必要に応じて引用して紹介すること。
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指導事項
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重点
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学 習 活 動
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評 価 規 準
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時
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||
ア
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【語句の意味の理解】
文脈の中における語句の意味を的確にとらえ,理解すること。
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「はがき新聞を送る」という課題をもちながら「少年の日の思い出」を読む。
(事前)新出漢字や難語句について調べる。
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関①
課題を解決するために,積極的に「少年の日の思い出」を読もうとしている。
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1
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ウ
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【文章の解釈】
場面の展開や登場人物などの描写に注意して読み,内容の理解に役立てること。
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現在の場面と回想の場面の構成や登場人物の描写に注意しながら展開をとらえ,内容を理解する。
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読②
言①
文章中の言葉を根拠として引用し, さまざまな観点から描写の効果について考えている。
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23
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エ
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【自分の考えの形成】
文章の構成や展開,表現の特徴について,自分の考えをもつこと。
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○
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内容の理解を深めるために,展開や表現の特徴などについて友人と考えを交流する。
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読②
根拠を本文中より探し,自分の考えを整理している。
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45 |
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オ
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【自分の考えの形成】
文章に表れているものの見方や考え方をとらえ,自分のものの見方や考え方を広くすること。
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◎
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グループで交流を基に,はがき新聞にまとめることで,自分の考えを明確にする。
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読①
紹介するために,本文中の言葉を根拠として考えている。
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6 |
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カ
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【読書と情報活用】
文章などから必要な情報を集めるための方法を身に付け,目的に応じて必要な情報を読み取ること。
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関連する〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
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(1)イ(イ)語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して読むことができる。
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【授業の概要】
国語への関心・意欲・態度
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読む能力
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言語についての知識・理解・技能
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①映像化する際の演出を考えるために,登場人物の言動や描写に注意ながら読もうとしている。
②交流を通して,仲間の考えや映像化された作品と自分の考えを比較して,自分の考えを深めようとしている。
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①表現の仕方について,根拠を明確にして考えをまとめ,映像化する際の演出について考えている。(ウ)
②文章に表れているものの見方や考え方について,知識や体験と関連付けて自分の考えをもっている。(エ)
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①抽象的な概念を表す語句や心情を表す語句などに注意して読むことができる。((1)イ(イ))
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単元(教材)名 |
生きる姿( 太宰 治「走れメロス」 ) 〈 6時間計画 〉
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言語活動例
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ア 詩歌や物語などを読み,内容や表現の仕方について感想を交流すること。
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指導事項
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重点
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学 習 活 動
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評 価 規 準
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時
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ア
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【語句の意味の理解】
抽象的な概念を表す語句や心情を表す語句などに注意して読むこと。
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・単元の目標を理解し,「走れメロス」を通読し,作品の内容をとらえ,初発の感想を書く。
(事前)新出漢字や難解語句について調べる。
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関①
課題を解決するために,積極的に作品を読もうとしている。
言①
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1
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イ
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【文章の解釈】
文章全体と部分との関係,例示や描写の効果,登場人物の言動の意味などを考え,内容の理解に役立てること。
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・登場人物の言動,描写に着目しながら,人物像をとらえる。
・主人公の心情の変化を展開に沿ってとらえる。
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関①
言①
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23
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ウ
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【自分の考えの形成】
文章の構成や展開,表現の仕方について,根拠を明確にして自分の考えをまとめること
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◎
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・交流を通して、表現の仕方について自分の考えをまとめる。
・自分が選んだ場面を映像化するための演出方法について考える。
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関①,②
読①
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45 |
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エ
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【自分の考えの形成】
文章に表れているものの見方や考え方について,知識や体験と関連付けて自分の考えをもつこと
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○
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・アニメ作品と比較して,自分の演出方法との共通点・相違点を挙げながら,自分の考えを深める。
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関①,②
読②
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6 |
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オ
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【読書と情報活用】
多様な方法で選んだ本や文章などから適切な情報を得て,自分の考えをまとめること
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関連する〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
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(1)イ(イ)
抽象的な概念を表す語句や心情を表す語句などに
注意して読むことができる。
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「国語科重要用語辞典」東京法令出版 2009
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