平成22年度 第1学年3組保健体育指導案

 

 
 
第1学年3組保健体育指導案
 
山梨大学教育人間科学部附属中学校
指 導 者   秋山 知洋
1 単元名 「球技」ゴール型 (バスケットボール)
 
2 運動の特性
  球技は、個人やチームの能力に応じた作戦を立て、集団対集団、個人対個人で勝敗を競うことに楽しさや喜びを味わうことのできる運動である。
  小学校では、「ゲーム」と「ボール運動」で簡易化されたゲームでルールを工夫したり、チームの特徴に応じた作戦を立てたりして攻防を展開できるようにすることをねらいとした学習をしている。
  中学校では、これらの学習を受けて、基本的な技能や仲間と連携した動きを発展させて、作戦に応じた技能で仲間と連携しゲームが展開できるようにすることが求められている。
  したがって、第1学年及び第2学年では、勝敗を競う楽しさや喜びを味わい、基本的なボールや用具、と仲間の連携した動きで攻防を展開できるようにする。また、球技の学習に積極的に取り組み、フェアにプレイすること、分担した役割を果たすことや、話合いに参加することなどに意欲をもち、自己の健康や安全に気を配るとともに、技術の名称や行い方などを理解し、課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにすることが大切である。
 
3 生徒の実態
  1年3組は、男子20名、女子20名、合計40名の集団である。男女とも仲が良く、班活動では、女
子がリーダーシップをとることが多い、また、どの授業においても意欲的に参加することができる集団である。運動部は、24名、文化部は16名で、運動部の割合が多いが、文化部の生徒も昼休みに外で遊ぶことが多い。
事前に行ったアンケートから「保健体育の授業が好きである」と答えた生徒が24名・「どちらかというと好きである」と答えた生徒は11名であった。この結果からもわかるように授業も積極的に動く姿や意欲的に活動する姿が見られ授業への関心の高さが伺える。また,種目(領域)の中では「球技が好きである」と答えた生徒が圧倒的に多く,ボール操作を含むゲーム的要素の強い種目に関心を示している。
 本単元のバスケットでも小学校の体育の授業で行った生徒が38人とほぼ全員の生徒が経験をしているのでさらにバスケットの楽しさを味わわせながら、技能の獲得を目指して指導していきたい。
 
4 教師の指導観
  本校では第1・2学年において全ての領域を単級(第2学年の柔道・ダンスは男女別)の男女共習で行っており,「球技」の取り扱いについては,第1・2学年は必修,第3学年は選択制とする計画となっている。内容に関しては,1年次はバスケット,サッカー2年次はソフトボール、バレー3年次の選択制授業ではバスケット、ソフトボール、卓球、バレーである。
 球技では、パスをつないでシュートを打つ楽しさや喜びを味わわせながら、運動量を確保することをねらいとし、生徒が興味・関心を高められるように指導していきたい。3年次には作戦に応じた技能で仲間と連携しゲームが展開できるような技能を身に付けさせたいと考えている。また、今回行うバスケットを通して,基礎的な技術の向上はもちろん、仲間と協力しながらお互いが高めあえるよう指導していきたい。
5 単元目標  (学習指導要領を抜粋)

中学校第1学年及び第2学年
(1)技能
(2)態度
(3)知識、思考、判断
ゴール型では、ボール操作と空間に走り込む等の動きによってゴール前での攻防を展開すること。
球技に積極的に取り組むとともに、フェアなプレイを守ろうとすること、分担した役割を果たそうとすること、作戦などについての話し合いに参加しようとすることなどや、健康・安全に気を配ることができるようにする。
球技の特性や成り立ち、技術の名称や行い方、関連して高まる体力などを理解し、課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。

6 全体研究とのかかわり
全体研究では,『知の再構成を目指して~「かかわり」を生かした学習過程の工夫~』をテーマに3年計画の最終年をむかえ,昨年度同様研究のポイントとして以下のように設定した。
・「かかわり」を生かした学習課題・活動の設定
・伝える学習活動
     学びの評価
①「かかわり」を生かした学習課題・活動の設定
毎時間の授業において,核(コア)となる学習内容を明確にする。例えば,バスケットボールの「スペースの活用」を学習する授業では,『空間を認識し,空いている場所を見つけ出し移動すること』が学習の中心となるが,それを学ぶには「相手ディフェンスの確認」「タイミング」「スピード」「フェイキング」などの様々な要素が関連してくる。そこで,それらの要素を加味した工夫したゲーム(ルールや場所,用具などを考慮)を取り入れることで,学習内容の「かかわり」を見出す活動を行っていきたい。
②伝える学習活動
単元や種目に合わせた学習カードを作成し,授業のポイントだけでなく,学んだこと,発見したこと,悩んだこと,つまずいたことなどより具体的に書かせることで,1時間の学習で身につけたものを表現できるようにしていきたい。さらに昨年度の課題を踏まえて,「共に活動する仲間に指示やアドバイスができる場面」や「コミュニケーションを通して新たな視点に気付く場面」をつくっていきたいと考えている。
③学びの評価
学習カードに1時間ごとに学習の成果や課題をより具体的に記述することで,これまでの学習の振り返り(変容や成長の度合い)が確認できるようにしていきたい。また,各授業の後半でゲーム的な要素を取り入れることで,「学んだことを生かした動きや技ができているか」や「既習のものから選んだり,複数の要素を合わせたりしているか」などを評価につなげていきたいと考えている。さらに,上記②の内容については,「ポイントとなる内容を理解した説明や発言をしているか」「様々な角度から捉えているか」「説明が分かりやすいか(伝わっているか)」などを評価したり指摘したりできるような活動を取り入れ,学びの様子が見取れるようにしていきたいと考えている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
7 評価規準

 
運動や健康・安全についての関心・意欲・態度
運動や健康・安全についての思考・判断
運動の技能
運動や健康・安全についての知識・理解
内 評
容 価
の 規
ま 準
○球技に積極的に取り組むとともにフェアなプレイを守ろうとしている。
○作戦などについての話し合いに参加しようとしている。
○健康・安全に気を配ろうとしている。
○「課題に応じた運動の取り組み方を工夫」するとは、活動の仕方、組み合わせ方、安全上の留意点などの学習した内容を学習場面に適応したり、応用したりすることを選んでいる。
○勝敗を競う楽しさや喜びを味わい、基本的な技能や仲間と連携した動きでゲームが展開できる。
○球技の特性や成り立ち、技術の名称や行い方、関連して高める体力などを理解し、課題に応じた運動の取り組み方を言ったり、書き出したりしている。
○基本的な技能や仲間と連携した動きでゲームが展開でき、積極的に取り組もうとしている。
○分担した役割をしっかりと果たし練習やゲームを円滑に進めようとしている。
○ルールやマナーを守り、健康・安全に留意しようとしている
○ボール操作やボールを持たないときの動きなどの技術を身に付けるための運動の行い方のポイントを選んでいる。
○自己やチームの課題を見付け選んでいる。
○仲間と協力する場面で、分担した役割に応じた協力仕方を見付け選んでいる。
○学習した安全上の留意点を他の練習場面や試合場面に当てはめている。
○ゴール型では、ボール操作と空間に走りこむなどの動きによってゴール前での攻防が展開できる。
○バスケットボールの特性や学習の進め方、簡易な試合におけるルール、審判や運営の仕方を言ったり書き出している。
 
①バスケットボールに意欲的に取り組もうとしている。
②ルールやマナー、フェアなプレイを理解し取り組もうとしている。
③記録や審判に積極的に取り組もうとしている。
④チームの作戦や戦術などの課題解決を話し合い、取り組もうとしている。
⑤用具の準備や片づけを進んで行い、場の安全に気をつけようとしている。
①自分のチームの課題を見つけ選んでいる。
②仲間と協力する場面で、分担した役割に応じた協力の仕方を選んでいる。
③学習した安全上の留意点を他の練習場所や試合場面を選んでいる。
①ボールとゴールが同時に見える場所に立つことができる。
②パスを受けるために、ゴールの空いている場所に動くことができる。
③ボールをもっている相手をマークすることができる。
 
①技術の名称がわかり、それぞれのポイントを言ったり書き出したりしている。
 

 
 
8 指導計画(ねらい、学習内容)
(1)学習過程及び学習活動における具体の評価規準(全12時間)

段階
学習Ⅰ
学習Ⅱ
学習Ⅲ
 
時間
10
11
12
 
 
 ね
 
 ら
 
 い
○オリエンテーション・学習の意義や目的学習方法を理解できる
・自分の技能を知ることができる
・練習・運動をするうえでのルールを守るなどの健康・安全について理解できる。
○基本的な技術の習得
・パスを受けるために、ゴール前の空いている場所に動くことができる。
・味方から受けたボールを得点をねらいシュートを打つことができる。
・ボールを相手に奪われないようにパスやドリブルなどでキープすることができる。
・周囲を見ながらプレイすることができる。
○練習の際に仲間にアドバイスをしたり、課題解決に向けて仲間に助言したりすることができる。
○健康・安全に気を配り体調の変化や用具の扱い方、練習場所などの自己や仲間の安全に留意する
○まとめ
 
・チームで作戦を立てゲームに生かす。
 
時間
10
11
12
 
 
 
 
学習内容
 
10
 
15
 
20
 
 
25
 
 
30
 
35
40
45
50
○バスケットの特性や学習意義についての理解
○個人カードの記入の仕方
○チーム分け(30秒シュート・パス・8の字ドリブル)
 
準備・補強運動(5周走る、馬跳び、腹筋、腕立て)
 
○ボールハンドリング
○二人同時パス
○ドリブル鬼ごっこ
○移動シューティング
 
ゴール下シュート(チームごと各自3本 左右)毎回記録 シュート率も算出する
ゴールへ走りこむ動きⅠ
(ディフェンスなし)
ゴールへ走りこむ動きⅡ
(ディフェンスあり)
リーグ戦
 
3対3
ドリブルなし
 
作戦タイム1分
 
(触球数 シュート数記入)
○2対0
(走るコースを決める)
○3対0
○3対2
3対2
(オフェンスは正方形の頂点に移動する)
3対3
(アウトナンバー)
パターンABCからどのコースが良いか発問する
ディフェンスを付けて
行う
○3対2
 
 
 
ゴールへ走りこむ動きⅡ(ディフェンスあり)
ディフェンスを付けて行う
○3対3
*ドリブルなし(2対1をつくらせる)
ゴールへ走りこむ動きⅡ
○2対1
(ディフェンスを引き寄せてパス
試しのゲーム
○3対3 *ドリブルなし *作戦タイム1分
*時間4分×3試合 (触球数 シュート数記入)
○個人ノート記入
学習活動における具体の評価規準
 
 
 
 
 
時間
10
11
12
 
①バスケットの学習に意欲的に取り組もうとする。
⑤用具の準備や片づけを進んで行い、場の安全に気をつけてようとする。
①練習に積極的に取り組もうとする。
②相手の健闘を認め、フェアプレーに取り組み、ルールマナーを守ることができる。
④分担した役割を果たし,励まし合ったりして,仲間と協力して練習やゲームに取り組もうとする。
⑤用具の準備や片付けを進んで行い,場の安全に気をつけようとする。
②相手の健闘を認め、フェアプレーで取り組み、ルールやマナーを守ることができる。
②仲間と協力する場面で、分担した役割に応じた協力の仕方を選んでいる。
①個人やチームの能力に応じた作戦を立てることができる。
②仲間と協力する場面で、分担した役割に応じた協力の仕方を選んでいる。
③学習した安全上の留意点を他の練習場所や試合場面を選んでいる。
①提供した練習から自己のチームの課題や作戦を立てることができる。
技能
 
①ボールとゴールが同時に見える場所に立つことができる。
②攻撃の際のボールを持たないときにゴール前の空いている場所に走り込むことができる。
③ボールをもっている相手をマークすることができる。
知識
①バスケットボールの動きのポイントやルールの名前が理解できる
①技術の名称がわかり、それぞれのポイントを言ったり書き出したりしている。
 
①ルールを理解し、審判をすることができる。
 

 
9 本時の授業
(1)日時 平成22年6月30日(水) 14:10~15:00(50分)
(2)場所 山梨大学教育人間科学部附属中学校 体育館
(3)対象 1年3組 (男子20名 女子20名 計40名)
(4)題材 球技 ゴール型 (バスケットボール) (全12時間計画の6時間目)
(5)ねらい ○シュートを打つためにゴール近くの空いているスペースに走りこめる
       ○学習課題(空いているスペースに走りこむことができる)の解決に向けて、仲間に助言することができる

時間
学習内容及び学習活動
指導・支援と評価
10
○体育館にきた生徒からウォーミングアップを行う。
・体育館5周
・補強運動
腕立て、腹筋、馬跳び:男子15回、女子10回
○ゴール下シュート
 ・チームごとに各自3本シュート左右
○挨拶、健康観察
○本時の学習のねらいと進め方を確認する
 
学習内容
仲間と連携して空いているスペースに走ること
○活動時間が十分に確保できるよう、効率よく行えるようにする。
○本時のねらいを理解させ、見通しをもたせる
○安全面から,ウォーミングアップを丁寧に行うよう 指導する。同時に体調等健康観察を行う。

ゴール下シュート
45度から打つ
・ボードを使う
・目線の近くから打つ
 

 
 
 
 
 

○落ち着いた雰囲気の中で挨拶ができるよう促す。
○前時の反省を生かしながら,目標・課題を持って取り組めるよう指導する。
35
○3対2  アウトナンバー
・前時の授業でパターンA,B,Cを提示しデ
ィフェンスがいる場合はどの動き方がよいか
を考えさせ実際に行わせる。
 
 

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

曲線:走るコース →:パス ×:ディフェンス
*チームごと作戦タイム(1分)
○3対3  ゲーム(ドリブルなし)
分析カードに記入「何回パスをもらえたか」「何回シュートをうてたか」
○パスをもらえる状態とは、ボールを保持している人と保持していない人、そしてディフェンスがどのような位置関係にあるのか理解させる。
 
④分担した役割を果たし,励まし合ったりして,仲間と協力して練習やゲームに取り組もうとする。(関心・意欲・態度)
 
○どのように動いたらサポート(ボールのもらい方)ができるか考えさせる(ディフェンスの前又は裏を走る)
○どのような走り方が良いか考えさせる
(パスを呼ぶ、ターゲットハンドをする)
○どのようなパスをするか考えさせる
(バウンズパス、チェストパス、オーバーヘッドパス)
②攻撃の際ボールを持たないときにゴール前の空いている場所に走り込むことができる。(技能)
 *オフェンスは2対1をつくらせる
 
○相手のマークを決める
○誰がボールを出し、誰がボールを受けるか
 
○どのように動いたらサポートできるか考えさせる。
 
5
○本時の反省を記入する。
○本時のまとめをし,次時の学習内容を知る。
 
 
成果と課題を学習ノートに記入できるように指導する。
○授業を振り返っての評価と次時の確認を行う。
 

 

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